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プロダクトデザイナーのデザイン思考ノート

プロダクトデザイナーとして住むべき部屋とは

このままでは文化がダメになってしまうと、イタリアは1960年代に団地政策をやめた。

一方、日本は団地政策をやめなかった。

現在多くの日本人は「納屋」に住んでいる状態、つまり、住空間が物置状態になっている。

という話を聞きました。

団地政策に関して、調べてもなかなか確認がとれないままですが、この部分は今回の話のコアではなくきっかけですのでさらりと流してしまって下さい。

「納屋」に住んでいる状態の何がいけないかと言えば、「納屋」の中で暮らしているような状態で、家具を置いたりモノを飾ったりという感覚が失われてしまった、ということです。

厳密に言えば、「納屋」の中に家具を「収納」している感覚に近いのかもしれません。

私が今教わっている先生は、「余裕が出来たらでいいから、多少ボロくてもいいから、なるべく広くて、天井の高いところに住め」と私に言います。

それは何故か。

このことをきっかけに、プロダクトデザイナーとして、どういうところに住むのが一番いいのか、ということを考えてみました。

まず、広い所に住むべき理由。

これは、家具やモノのレイアウトをテトリス的思考でしか決定できない、という状況を抜け出さなければならないということだと解釈しています。

テレビ、掃除機、ソファ、スツール等、部屋の中には様々なモノがありますが、それらに対して自分でアイデアを出さなければならない時、どこかで自分の住環境を重ねて考える瞬間があると思います。

その重ねられた住環境が納屋の様な場所であればあるだけ、佇まいがどうだとか、部屋の真ん中にも置けるようなだとかいった世界からかけ離れて行きます。

妄想に妄想を重ねることでしか、ハイエンドなモノづくりを実現する術はありません。

私は大学に進学してから名古屋に住みはじめ、部屋は8畳あるので1人暮らしにしてはまだ広いほうかとは思いますが、その状況はどうかと言えば、完全に納屋です。

幸いにも、実家は土地の広さがウリ!?の田舎ゆえの一戸立てですので、過去の記憶を頼りに、そっちに重ね合わせることも不可能ではないですが、それも、最近6年間の生活にアップデートされ、リアルな想像が困難になりつつあります。

納屋発信型、納屋向けモノづくりという狭い枠の中に捕われてしまうのではないかという危機感すら覚えます。

そういう需要もたくさんあるから、という一言では片付けられない問題かと思っています。

来年度からは私も社会人となり、最初は会社の寮に入ろうと思いますが、捉えようによっては、今にも増して危機的状況に陥ります。

それは何故か。

まず、部屋にベッドと机とクローゼット以外に何かモノを置くスペースというのがほとんどないこと。

加えて、部屋にキッチンがなく、食事は食堂で済ますこと。

風呂・トイレも部屋になく、共有するということ。

これは生活のあり方としては極めて特殊な形態であると言えます。

掃除をするという経験、料理をするというごく当たり前の経験すらも奪われてしまいます。

今でもあまりするほうではありませんが 笑

ずっとこのような環境に身を置きながら、いざ、「ハイエンド製品を」となったとき、かなり無理があります。

リアリティーがないのです。

家具ひとつとっても、コルビジェが似合う環境にいなければ、それは本当の意味でそのレベルのモノは生み出せないのだと思います。

wikipediaには、ローエンドについて以下のような記述があります。

一般に原価を切り詰めて廉価に設定し、入門者、初心者、低所得者のマーケットを狙った価格帯に設定する。販売、宣伝においては、この言葉は使われ ず、バリューモデル、スタンダードモデル、エントリーモデル、ベーシックモデル、エコノミーモデル、入門機、初心者用などの用語が使用される。えてして販 売店の客寄せの為の廉価な目玉商品として供給される場合がある。

メーカーによってはハイエンド製品とローエンド製品の設計、製造部門が別である場合もあり、ローエンド製品は人件費が安いアジア、東欧地域などで生産される場合が多い。

恐らく、今後もこのようにローエンド製品のアウトソーシングは進んでいくと思われます。

そんななか、「俺にも食いぶちよこせ」というためには、納屋から抜け出し、自分のできる範囲でハイエンド製品のターゲットユーザーの気持ちのわかる生活を実現していかなくてはならないのかもしれません。

これは贅沢ではなく、自己投資と言ってよいのだと思います。

私が、来年から寮にお世話になろう、という気持ちは、経済的な面や生活への慣れを考えると変わりませんが、落ち着いたら寮を出ようと思います。

しかし、寮に住むこと自体は、都合良くライフハッカー的目線で考えれば、「自分の時間を増やすための10の方法」なんていうエントリーに入ってくる項目でしょう。

生活に関する経験と引き換えに得られる時間は、有効に使い、犠牲にしたもの以上のリターンは得てやろうと考えています。

また、結婚して一人暮らしじゃなくなるだとか、子供ができてそのために広い家に引っ越すといったことも、あくまでも結果的にの話ですが、「リアリティーのある多様な引き出し」のに繋がるのだろうな、と思ったのでした。

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