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プロダクトデザイナーのデザイン思考ノート

デザインにおける味わい ー後編ー

四月から晴れて社会人となりました。

管理人の嶋野です。

事情により2ヵ月以上ネット環境にない状態が続き、ブログも全く更新できませんでした。

友人には、「もう飽きたの?」と言われましたが、そんなことはありません。

今後も頑張ります!

デザインにおける味わい ー前編ー から随分あいてしまいましたが、再開したいと思います。

引き続き、後編いきます。

「デザインにおける味」について、正直なところ、これだ!!という明確な答えを、前編の段階で私が持っていたわけではありませんでした。

「面白いにおいがするから」と、前回、前編として書き始めてしまった手前、後編をかかざるを得ない状況になり、自分を追いつめてしまった感じです 笑

ですので、拙いかもしれませんがあくまで個人的な意見として受け止めてください。

まず、「味」そのもの、味覚からの着想です。

私は過去に何度か、本気でカレーをつくるべく、色々とカレーについて勉強したことがあります。

その際、「味わい深い」カレーとは、味の時間差がひとつの鍵であることを知りました。

カレーがおいしいのは、まず最初に感じる甘み。

そして最初はなかったにもかかわらず、気づけば口の中がスパイスの辛みで満たされています。

ここでは、決して同時にはやってこないことが重要です。

よく、激辛と言われる料理が、口に含んでしばらくは辛さを感じることなく「全然いけるじゃん!」と思った直後に大変な目にあうという経験、あの感覚です。

おいしさを表すための、「外はカリッと、中はジューシー」とか、イクラの「プチッとなってからのトロ〜っという」表現は、まさに時間差が味わい深さをつくりだすことを物語っています。

時間差と言えば、ラテン語でpatina(パティーナ)という言葉があります。

これは、「経年変化によって生まれる味わい」という意味あいです。

この言葉自体、私は2年か3年程前にTV番組で知ったわけですが、革製品なんかはわかりやすい例でしょう。

恐らくここには情緒的な価値が存在しているはずです。

時間がモノの価値を高めていく事例は他にもあります。

ソフトウェアのアップデートというのは、まさにモノの価値を時間とともに高めてくれる可能性をもっていると言えるでしょう。

iPod Touch や iPhone は、時間をかけてユーザーがカスタマイズして自分にフィットさせていくことができるとともに、提供されるアプリケーションも増え続けており、ハードは同じであっても中身は変化し続け、常にユーザーが感動を味わう仕組みが出来上がっています。

ゲームソフトも、昔は買ったらそれまでであり、その価値は時間の経過とともに下がっていきました。

ゲーム機やPCのネットワーク接続による内容の追加が行われるようになり、時間の経過により下がるしかなかった価値が、ある時点のアップデートにより価値の維持や向上がなされるようになりました。

サードパーティによるアクセサリやプラグインの開発も、その製品に同様の効果をもたらします。

以上のことから、デザインにおける味わいとは、ユーザーに多くの価値を「同時に」提供することでは決してなく、時間の中で段階を踏んで様々な価値を提供していくことで、単に、新しいだとか古いだとかいった価値基準から抜け出す方法論だと思います。

3Rもしくは4Rと呼ばれるフレーズをご存知でしょうか。

多くの方には釈迦に説法かもしれませんが、これは廃棄物減量のキャッチフレーズです。

「リサイクル = Recycle」、「リユース = Reuse」、「リデュース = Reduce」に加え、「リペア = Repair(欧米)」や「リフュース = Refuse(日本)」ということが叫ばれています。

私は、味わいがもたらすロングライフやロングユースに着目し、ここにもうひとつ、「リバース = Reverse / Rebirth」を加えたいと思っています。

「新しければ新しい程よい」「購入してから下がり続けるしかない」モノの価値を、徐々に、或はある時点においてぐんと引き上げる、マイナスからプラスへの価値の反転を起こすという概念です。

コクヨデザインアワードの受賞作である「カドケシ」や、MUJI AWARD の「その次があるバスタオル」は素晴らしいアイデアだと思います。

これらは、使用する時間軸の中でのリバースポイントが用意されていると言えるのではないでしょうか。

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